第十四章 空き地の空(あきちのそら)

7/27
前へ
/352ページ
次へ
「これは何でしょうか?」  俺に聞かれても分からないと思うが、覗いてみると黒い服のようなものであった。 「人……?」  炭になった人なのであろうか、黴になった人なのであろうか。 黒い人型が、壁の中に並んで立っていた。 「遺跡の中から発見された、炭化された人らしいです」  秋里は、壁の文字を読んでくれた。  でも人として見ると、あれこれおかしい。 まず、身長が高い。二メートルを軽く越している。 指が長い、手の指だけで、俺の手の平よりも長いのだ。  骨が太い、この巨体を支えるためなのかもしれないが、骨が俺の腕程もあるのだ。 「天神、宇宙人説の根拠でしょうか」  これは、人間ではない何かと考えたのか。
/352ページ

最初のコメントを投稿しよう!

213人が本棚に入れています
本棚に追加