第十四章 空き地の空(あきちのそら)

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「名護と一緒に墓参り?」 「まあね。今回の礼もあるし、飯を奢ろうかなと思ってさ」  毎回、キスなどのスキンシップになっているが、 それでは名護の活躍とつり合いも取れていないだろう。 「……四区の対って……」  藤原が情けない声を出していた。 藤原チームの天狗は、征響なのだから、俺は死霊チームでいいのだろう。 「墓前で紹介って……」  藤原が泣きそうな声になっている。 少し、嫌がらせ過ぎたであろうか。 「藤原も紹介しようか?ついでに」 「ついでって……」  藤原が復帰を始めた。 藤原は笑うと、垂れ目がいっそう垂れ目に見える。 でも、優しそうな笑顔で、誰からも好かれていた。
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