第十四章 空き地の空(あきちのそら)

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「この建物、壊れそう……」  言葉が終わらない内に、後ろで何かが倒れた。 壁が倒れただけかと、又前を向くと、轟音がしていた。 「建物が崩壊する!」  慌てて逃げて、かなり離れたところで振り返った。 そこにあった旧病院は、消えて無くなっていた。 病院関係者らしき人や、近所の人が集まってきていた。 「今度こそ、帰ろう!」  何もなくなった空は広い。  あちこちで、まだ発情期であるので、藤原も名護も、俺達も歩いて帰っていた。  どうして俺達が、発情期に免疫があるのか分からないが、 赤ん坊の時に遭遇し免疫ができたと考えるのが妥当であった。
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