第一章 消える景色

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「印貢、休みはどうするの?」 「たまには港駅の方の、巨大なスポーツ用品店に行こうかな」   この土地は港に面しているせいか、港と名の付く駅が多い。 その中でも、一番巨大な駅が港駅であった。 いつもは天神一区駅前のショッピングセンターで買い物を済ませるが、 この港駅のスポーツ用品店の品数は、通常店の比ではない。 「そうか……印貢の家って、天神の森駅の方だもんな。 港駅に簡単に行けるよな」  路線というものがあって、俺の家の天神の森駅から、高校のある天神一区駅までは、 乗り換え二回を要する。 しかも、高校とは逆側にある乗り換え駅までが長いのだ。 電車に乗るよりも、自転車の方が到着は早い。 自転車通学なので、天神区には駅がないと思われてしまうが、 ちゃんと歩ける距離に駅はある。
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