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「取りあえず、名前はなんていうの?」
「青っ!」
「苗字は?」
「まだないっ!」
青が元気よく答えた瞬間、有紀の鉄拳が彼のおでこに炸裂した。
途端に吹き飛ぶ美少年性奴隷。
因みにこの口よりも先に手が出る私の親友は、空手の有段者であった。
「ちょ、ちょっとグーは止めなさいよ、グーはっ!」
吹き飛んだ青の体を起こすと、予想通りおでこが赤く腫れあがっていた。
虐待です、これは明らかに虐待です。
まあ、私も別の意味で人のことはいえないのだが。
「青っ、大丈夫?」
「だ、だめ、超痛いっ」
「見なさいよ、涙ぐんでんじゃないのっ!」
「その子がふざけたこというからよ。愛のムチってやつね」
「取りあえず手足を出すのは止めて、いいわね?」
「分ったわよ」
ふて腐れる有紀をよそに、私は青をキッチンへと連れて行った。
打撲の対処法は、一も二もなくまずは冷却だ。
確かまだストックが……あっ、あったっ!
冷蔵庫を開けて熱さまし用の冷却シートを取り出す。因みに私にとっては二日酔い専用である。
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