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「私に葵君を説得してほしい、ということですよね?」
「ええ。勿論、お願いできますよね」
「ごめんなさい。あの子が嫌がってる以上、あなたたちに協力することはできません」
「28歳の独身女性と16歳の少年が同棲……博多のご両親や会社の同僚たちが聞いたら、さぞかし驚きそしておおいに悲しむことでしょうね」
川崎さんはテーブルの上に手を組むと、静かに私を見据えてきた。
その表情は、先程と同様にとても自信に満ち満ている。
私の身元関係もすっかり調査済みですか……流石に高給取りは違いますね。
しかもこのオッサン、おもいっきり私のこと脅してきてるわね。
それにしても同僚はまだしも、年老いた両親を取引材料の引き合いに出すのは反則でしょ……。
……ブチっ! 頭の中で小さな破裂音がこだました。
このオッサンのいうことをきかないと、恐らく会社はクビになるだろう。
野郎とその後ろ盾は、それだけの権力を持っている。
アラサー女が無職になり、ショタコンの烙印をおされる……考えただけでも寒気がするわね。
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