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でもまあ、しょうがないわね。博多女は情があついから……。
あんな優しい子を売るような真似は絶対にできない。
そしてなにより、いまの私は久々にブチ切れ真っ只中だ。この思いだけは止まらないっ!
「ほんにおたくは、せからしか男やねえ。そげなちんけな脅しで、うちが驚くっち思うとるん? オッサン、博多んおなごをなめよったらいかんとよっ!」
グラスに入った水を手に取ると、向かいに座る男の顔めがけぶっかけてやった。
すると野郎はニヤリと口角を上げると、冷たい微笑みを私に向けてきた。
「激情するとやっぱり、地元の方言が出るんですね」
「……そうかもしれませんね」
図星をつけれた私は努めて博多弁を封印した。
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