1559人が本棚に入れています
本棚に追加
どうして、私はいつもこうなっちゃうかなあ……。
もはやこれは神様のいたずら、とかいうレベルじゃない。
神様の嫌がらせ、といっても過言ではないだろう。
たしかに私は無神論者だ。神様の存在もたいして信じちゃいない。
そのくせ、都合のいい時だけ神様に頼ることが多々ある。
でもそれは私だけじゃないはずだ。世の中の大多数はそんなものだろう。
それにも関わらず、どうしていつも私だけこのようなお仕打ちを?
天にまします我らの父に、私は心の中でそっと問いかけた。
現在、私は某大型水族館のカフェにいる。
勿論、同居人の料理上手な自称性奴隷も一緒だ。
そして私たちの向かいには、元カレとその見合い相手の姿があった。
あり得ないフォーショット。これほど気まずい雰囲気を味わったのは生まれて初めてだ。
これはもう、一周回って逆に笑いがこみあげてくるレベルである。
どうしてこのような事態になった? それでは、時間を今日の朝食時に戻そう。
「ねえ、奈々」
「うん? なに」
青が作ったベーコンエッグを頬張りながら、私は小首を傾げた。
すると作田家のシェフは、姿勢を正しながらこちらを見つめてきた。
最初のコメントを投稿しよう!