意地悪な神様

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この子は本当に私以外には、こんな笑顔をみせないのだろうか……うーん、なんとも勿体ない話しである。 とはいうものの、この笑顔を独りじめできるんだから悪い気はしない。 水族館に到着すると、青は微笑みながら私の手を取ってきた。 そして幻想的な光を浴びた海の生物ちを見て回ってゆく。   ああ、これ凄くきれい……色とりどりにライトアップされたクラゲの群れ――それは溜め息が出るほど美しかった。 一方、青のお気に入りは極彩色のサンゴたちのようだ。 「ねっ、来てよかったでしょ?」 「うん、そうね」 小首を傾げながら微笑む青に、私は頷きながら答えた。 それにしても、私たちは周りに一体どう見えてるんだろう? 恋人? それとも歳の離れた兄妹?  まさか親子ってことはないわよね……そんなことを考えながら巨大水槽を見つめていると、見知った顔が視界に飛び込んできた。
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