1560人が本棚に入れています
本棚に追加
「最低、信じらんないっ!」
「でしょ? 私も耳を疑ったわ……」
「よしっ、私が会社に乗り込んで文句いってやるわっ!」
「ちょ、ちょっとやめてよ」
「だって酷過ぎるじゃんっ! あんたこのまま泣き寝入りでいいの?」
「そんなこといったって……もう惨めな思いするの嫌なんだもん」」
「奈々……」
「だから、もういいの」
「本当にこんな終わりかたでいいの? 後悔しない?」
「……うん」
私が小さく頷くと、有紀は大げさに溜め息を漏らした。
そして暫く口を噤んだあと、自分のカキフライを一つ差し出してきた。
「まあ、これでも食って元気出せっ!」
カキフライ1個じゃ、元気出ねえよ……でも、ありがとう。
私は心の中でお礼をいいながら、親友からのおすそ分けを頬張った。
最初のコメントを投稿しよう!