俗物な私

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「最低、信じらんないっ!」 「でしょ? 私も耳を疑ったわ……」 「よしっ、私が会社に乗り込んで文句いってやるわっ!」 「ちょ、ちょっとやめてよ」 「だって酷過ぎるじゃんっ! あんたこのまま泣き寝入りでいいの?」 「そんなこといったって……もう惨めな思いするの嫌なんだもん」」 「奈々……」 「だから、もういいの」 「本当にこんな終わりかたでいいの? 後悔しない?」 「……うん」 私が小さく頷くと、有紀は大げさに溜め息を漏らした。 そして暫く口を噤んだあと、自分のカキフライを一つ差し出してきた。 「まあ、これでも食って元気出せっ!」   カキフライ1個じゃ、元気出ねえよ……でも、ありがとう。 私は心の中でお礼をいいながら、親友からのおすそ分けを頬張った。
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