俗物な私

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うまっ! 失恋しようが、厄介事を背負い込もうが腹は減る。   作田奈々・28歳。相変わらず未だ俗物のままだ。 そんなことをボンヤリと考えながら、私がサバ味噌に箸を伸ばそうとした時だった、有紀がテーブルを拳でドンと叩いた。 「よしっ、明日は休みだし、今日はあんたのとこで朝までとことん飲もうっ!」 「無理無理無理、それだけは絶対に無理っ!」 「……なんなのよ、そのびっくりするくらいの拒絶っぷりは」 「いや、別に拒絶っていうんじゃ……」 家に美少年を飼っているなんて、口が裂けてもいえない。
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