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なんだ、まだ帰ってきてないのか……弁当の入ったビニール袋を見つめながら、私は軽く溜め息を漏らした。っていうかなにを落胆してんのよ……。
「ただいま帰りました……」
誰もいない真っ暗な部屋に、私は無意味な言葉をかけた。
すると突然明かりが点いたかと思うと、パーンというクラッカーの音が盛大に鳴り響いてきた。
えっ! な、なにっ?
状況が呑み込めぬまま、玄関でボー立ちしていると青が ”おかえり” といって微笑みを向けてきた。
おかえりってあんた……っていうかなぜにクラッカー? その疑問はすぐに解決した。
青がいうには本日は私たちの同棲記念日だそうだ。
それゆえに今夜はささやかなパーティーを催すらしい。
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