天真爛漫な彼

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「絶対に嫌だっ!」 「わがままいわないのっ!」   時刻は11時30分。 鬼畜アラサー女と年下の性奴隷は、とある理由が原因で先程からいい争いを繰り広げていた。 ことの発端は、いまから30分程まえにさかのぼる。   昨日、伊勢丹で買ったお弁当を二人で食べ終えると、私は本日の予定を青に伝えた。 本日の予定――それは青の寝具一式買い物ツアーの決行だった。 昨夜は予想通り殆ど眠れなかった。 一方、青はといえば、しりとり開始から3分程でマジ寝に突入した。   あの状況下でどうして寝れるわけ?  っていうかしりとりやろう、っていってきたのはあんたでしょう? 最後まで責任持ちなさいよっ!  それに挙句の果てに、寝ぼけて手まで握ってくる始末だし……もう絶対に一緒のベッドで寝るのは嫌っ! 「わざわざ布団なんて買うことないじゃん。お金の無駄だよ」 「あんたと一緒じゃ、私は寝むれないのよっ!」 「大丈夫だって、すぐに慣れるから」 青は屈託なく微笑みを浮かべた。
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