第5章  女の砂時計(続き)

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私は、完全に声を失った。 もちろん、十年以上も会っていなかったのだ。 お互い、あの頃とは、外見も含め色々と変わったに違いないだろう。 そして、それと同じくらい、その年月の間には様々な事があったはず。 当然、彼女が恋をし、その結果お腹に命が宿っていたとしても 何もおかしくはない。 しかし――。 正直、私には今の彼女の姿を思い浮かべようがなかった。 だが、どうしてその彼女が自分との再会を望んだのか。 どうして彼女の言葉を、彼女の切なる望みだと田村は感じたのか。 そして、四十という節目を迎える私たちの年齢。 これらの事が、重なり合うように 私に新たな衝撃となって圧し掛かってきた。
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