波風

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人生自体が並過ぎて退屈で仕方ない。 男は自分からアクションを起こそうとしたこともあったが、そういった場合は大抵悪い方に出ると思い、やめた。 大金をつぎ込んで賭け事をしても負けるのは目に見えている。 ものすごい美人にアタックしてもこんな平凡な男には振り向きもしないだろう。 波風を立てるなら、少しでもいい方に出てほしい。 何か人生が楽しくなるようなことが起きないか。 男はいつしかそんなことばかり想像するようになった。 それは夢の中でも考えるくらいに。 ある時、男が眠りにつくと、夢の中で日ごろ想像していたことが起きていた。 突然、大金を手にすることが出来るという夢を。
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