波風

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大丈夫、金ならある。 だから多少冒険することにそんなにリスクはない。 このお金は平凡な自分を動かすために天が与えてくれたものだろう。 男はそう解釈して、次の日から自分の思うように暮らした。 博打に大金をかけてみたり、いい女を振り向かせるために金で釣ってみたり。 男は自信を持っていた。 それは大金を持っているといった余裕からくるものではなく、人生の波を立たせることが出来る人間になれたということに。 その空気感で男は女を落とすことが出来た。 博打は常に勝ち続けた。 勝つごとに病みつきになり、また自分に対する自信も深まっていった。 「僕はこういった人生を望んでいたんだ」
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