愛執

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爪の先から零れるまで 君を愛したら泣いた 凪いだ虚ろな心の中に 落ちる温かな雫 蒸せ返るように甘美な 小さな君の温かなひと粒 優しさを愛と違えるほどに それは僕の喉に傷をつけた 愛することを知らない 愛されないとわからない なにひとつなにもない 君がわからない 僕が空をかき抱いて 君はその間に誰を抱く? 狂疾に笑う僕の顔は 愛のないピエロ もし叶うなら 愛すると嘘を あたたかい腕で 愛された夢を 。
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