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柔くんの触れ方は ハジメテも、今も、変わらない 慈しむように 壊さないように 大切にしてくれてるのが きちんと伝わるような 柔くんらしい触りかただ はじめは 唇、頬、額に そっと軽いキス やがて首筋に 甘えるように額を擦り付けて 私がそれに答えるように 彼の柔らかい髪をそっとかき混ぜると 吐息が、漏れる それが私の首もとを じんわりと温め そこから淫靡な震えが 腰のずっと奥まで広がった 「…、」 たまらず私の唇からも 熱が零れる その唇を一度塞いだあと 柔くんは肌を軽く啄むようにして 私の身体を味わい始めた 纏っていた シャツ型のパジャマは いつのまにかボタンを全て外されて 肩に掛かるだけになっている 「翠」 私の名前を呼びながら 柔くんの大きな手のひらと唇が 腰骨から上を這い回る 時に繊細に 時に大胆に 特に乳房を そっと撫ぜたかと思うと いきなり鷲掴みにされ すっかり尖りきった先端を ざらざらとした舌で舐め回されると とうにコントロールを失っている身体が びくびくと跳ねてしまう 紳士的に触れることだって 出来るはずなのに 柔くんはこうして時々 荒々しさを見せた 私はそこに 求められる幸せを見出だしてしまう 「柔くん、…柔くん」 壊れたように名前を呼びながら じくじくと疼く下半身が 蛇のように蠢くのを どこか冷静な脳味噌が認識する なんて浅はかで穢らわしいのだろう なんて耽美で蠱惑的なのだろう 相反した思考が 私をどろどろした暗闇に 引きずり込んでいく
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