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はやく、はやくと 出所のない焦燥感が 私を突き上げるがままに 柔くん自身にそっと手を伸ばす そこは布越しでもわかる 熱を孕んでいて そっと撫であげれば ひくひくと震えて 柔くんの興奮を伝えてくれた 紳士的で優しい柔くんが 堪えるように洩らす吐息が愛しくて 執拗にそこに触れていたら 仕返しのように急に 私の中に彼の指が差し込まれる 「…、ん」 決して強引ではないそれは はじめて触れる癖に 私の悦いところを知っていて 迷うことなく体内を掻き回しては 私を身悶えさせた 「っ…はぁ」 演技ではない吐息が 唇から溢れ落ちてしまう 下半身から 粘着質な水音と 内臓を押し上げる柔くんの指の感覚が 押し寄せてきて 私の頭は羞恥という名の快楽で 埋め尽くされていった ゆるやかに余すことなく なかの壁に触れられて 敏感になったそこが より強い刺激を求めて涎を垂らす 「柔くん、っ」 私の切羽詰まった声が 枕元でついたままだった 柔らかい灯りをゆらゆらと揺らす 明るいのに、なにも見えない 恥ずかしいのに、求めてしまう
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