第1章
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第1章
東京の片隅に、自殺願望のある男がいた。 漆黒の長めの髪は後ろで無造作に括られ、深く黒い瞳が印象的な浅黒い肌の若い男。顔立ちははっとするほど端正で、自殺願望さえなければ楽しく人生を送れそうな感じだった。 両親は既に亡く、兄弟親戚もいない。両親が残した12階建てのマンション一棟が、彼の唯一の財産であり、そこの最上階が彼の住みかだった。 そして今日も、彼は……。
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