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――翌日。
キョウコは自分のベッドで目を覚ました。
どうやって家に帰ったのか――
昨夜の事は、ほとんど記憶していない。
最後に覚えているのは、樹液を舐めるおぞましい自分の姿。
この世の物とは思えないほどに美味しかったけれど、樹液は樹液――
どうしてあんな、奇行とも言える行動をしてしまったのだろう?
自分のした事が信じられず、キョウコは首を振った。
あれは何かの間違いだ。
そうでなければ、自分が狂ってしまったとしか思えない。
――忘れよう。
全てなかった事にしようと、無理やり気持ちを切り替えたキョウコは、シャワーを浴びようと部屋を出た。
――しかし消えない。
いくら念入りに体を洗っても、ふとした瞬間に、あの甘い香りが鼻に付く。
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