第1章

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――翌日。 キョウコは自分のベッドで目を覚ました。 どうやって家に帰ったのか―― 昨夜の事は、ほとんど記憶していない。 最後に覚えているのは、樹液を舐めるおぞましい自分の姿。 この世の物とは思えないほどに美味しかったけれど、樹液は樹液―― どうしてあんな、奇行とも言える行動をしてしまったのだろう? 自分のした事が信じられず、キョウコは首を振った。 あれは何かの間違いだ。 そうでなければ、自分が狂ってしまったとしか思えない。 ――忘れよう。 全てなかった事にしようと、無理やり気持ちを切り替えたキョウコは、シャワーを浴びようと部屋を出た。 ――しかし消えない。 いくら念入りに体を洗っても、ふとした瞬間に、あの甘い香りが鼻に付く。
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