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「博雅様には晴明様がついておられる。
ぜったい、
大丈夫」
さて庭では。
件(くだん)の鞍を付けた途端、
北斗が怯えるように嘶いた。
博雅が愛馬の首に腕を回して宥める。
衆目の中博雅が鞍に跨った。
振り返って晴明を見る。
晴明が肯くのに、
軽く笑い返して鐙(あぶみ)を入れた。
風のごとく北斗が走り去る。
博雅を見送った人々が振り返ると、
晴明の姿はもうどこにもなかった。
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