First Blossom. 出逢いと別れ

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 ◇ 「ここが学園都市か……つか、すげえな」  日本屈指と謳われる翡翠ヶ丘大学に通うため、俺は故郷である兵庫県から上京した。  受験や何だで忙しいさなか、語学教師でもある姉の指導の許、俺は標準語を身につけるための特訓にも精を出した。  そのおかげあってか、完璧とはいかなくとも関西訛りは軽減されたと自負している。だけどまだ、驚いた拍子に飛び出してしまう口調は……残念ながら神戸弁だ。  これから新しい生活が始まるんだ、初っ端からドン引かれる下手なんて、マジで勘弁願いたい。ここはひとつ身を引き締めて、華々しく大学デビューしてやるぞ。  そんなこんなと月日は流れ、センター試験も無事合格した俺は、晴れて上京ひとり暮らし。引っ越しの片づけも終えて、こうして大学のある学園都市までやって来たというわけだ。 「しっかしまた、これは……無駄に金かけとーなあ。私立つっても、豪華すぎじゃね? どうなってんだ、ここの金持ちどもは」  無駄な資金力を駆使して築き上げられた学問の城――俺の第一印象はそれだった。
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