First Blossom. 出逢いと別れ

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 ◇ ◇ 「それでさ……どうしておまえが、こんなトコいんだよ」 「そりゃ俺も、この大学に入ったからに決まってるだろ。他に大学に来る理由なんてあるか?」 「なッ……まあ、そうだけどよ」  ンな事が訊きたい訳じゃねえよ。  喉許まで出かかった文句をすんでで呑み込むと、俺は大きなため息をひとつつき、質問を変えてやつにぶつけた。 「じゃあよ、何で今さら俺なんかに声かけてるわけ? つか俺の顔なんて、見たくなかったんじゃねえのかよ。言ったよな、おまえ。もう俺には近づくなって」  そうだ、こいつに言われた事は、一言一句すべて覚えている。それは言葉の刃となって、俺の深い場所へと未だ突き刺さったままだ。  こいつ――葉山 和哉は、俺の親友だったんだ。  高校で知り合って直ぐに、俺たちは意気投合した。それから俺らは毎日、飽きる事なくツルんでたんだ。それがどうしてか、急にこいつは俺から距離を取り始めた。  最初の頃は俺の勘違いかとも思ったが、けどそれが何度もつづけば、いくら馬鹿でも気づくに決まっている。
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