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彼の質問に少しだけ頭を悩ます。正直最近はあまり食欲がないのであまり食べたいものはないのだけど…。
と、そこで私が思い出したのがあの味だった。
「じゃあコンビニでカップラーメン食べたい!」
キッチンで調理の準備をする彼の手が止まる。
「お前な…。」
呆れ半分照れ半分といった彼のその顔は、もうどうしようもないくらいに可愛いと思った。
「冗談だよ。でも…。」
私は一つの笑みを浮かべ、今しがたまた動いた私の中にある元気な命にそっと手を当てた。
「いつかこの子と3人で食べようね!」
彼との思い出の味を。
私を救ってくれたあの味を。
今度私たちの前に生まれてきてくれる新しい家族とともに味わうのが私の大きな夢だ。
「ま、いつかな…。」
私から顔をそらせながら彼はそうつぶやいてくれた。
そんな彼の様子を見て私がまた笑みを浮かべると、私の中の彼も嬉しそうにお腹を蹴った。
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