第6章  イエロー

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もちろん、まったく興味がなかったといえば嘘になる。 だから、デートまがいの事までしたはずだ。 だがやはり、あの頃の私は、「恋」よりも「未来」だったのは確か。 実際、アメリカに行ってから二年余り、私は恋をしなかった。 それならば、今は――?  彼は今、私を、どう思っているのだろう。 こうして私と会う時に、「トキメキ」を感じるのだろうか。 そして、「恋」よりも優先したい何かがあるわけではない今の私は……。 そう思った時、最後に恋をしたのはいつだったろうかと、 なんとなく記憶を辿り始めた。
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