36人が本棚に入れています
本棚に追加
結果、私は、溜息が出るほどストレスを抱える「仕事」に逃げた。
そして彼も、そんな私を追っては来なかった。
それから、気付けば七年。その間、私は「恋」とは無縁だった。
だが、それに寂しさも願望も何も抱かなかった。
むしろ、色々な意味で独りに戻れた平穏を喜んでさえいたはずだ。
だが今わたしは、こうして田村という男の腰にしがみ付いている。
しかも彼とは、時々こんな風にデートのようなこともしている。
つまり私は、今やはり彼に恋をしようとしているのだろうか――?
しかし、この答えを探り出す前に
私は、にわかに油断ならざる立場に追い込まれた。
最初のコメントを投稿しよう!