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気が付けば最短記録を出している自分に驚きつつも治まらない興奮と喜びに我が物にした。青年は気を失っていたが項の味は蕩けるほど甘く俺を更に興奮させるから実家の離へ移動させた。説明など後でいい。貴方も私を求めていたはずだ。
意識の無い番の匂いは兎に角俺を離さなかった。突く度に漏れる声は俺の聴覚まで狂わせる。貴方の声以外は聴きたくないと……。窓からの光に照らされる姿はまるで女神か天使。これこそが運命の番。 目覚めた貴方は先ず俺の名を口にした。男性なのに低すぎない美しい声が私を呼ぶ事に歓喜し中を抉るモノは更に力を増す。愛しい、愛しい、この名も知らぬ青年が……私には仕事がある、拐ってしまいたいと悩んでいれば、消えたことにしたいと言う。願ってもない事だ。これこそ運命だと何度実感させれば気が済むのか私は一目で貴方に狂ってしまった。
ーーー
危険な戦場に千晴殿を連れていった。もしも離れている間に発情期が来ても強い抑制剤があれば乗り切ることもできるとは思うが離れたくなかった。そんな必死さを見せる事は躊躇われ、発情期が来たら心配だからだと伝えた。
「日中は安全な基地に居て欲しいのですが」
手を握り頬に口付ける。沸き上がるこの思いを口付けにのせゆっくりと深いものに変えていく。舌で答えてくれるから浮かれていた。千晴殿の返事に何の意味も考えず了解した。
「できることなら、外に出させては頂けませんか?外の空気を感じたいのです」
名も知らぬベータを呼び寄せ腕の立つもののみで隊を築く。決して千晴殿を危険に晒すな、もしも危険があれば体を呈して守れ、と伝えた。守る者がある今、私に敵などいない、残虐な行為も勝利の為なら何でもできた。
日中の戦で汚れてしまった身を清め愛しい千晴殿の部屋へ向かった。私の香りに千晴殿は顔を赤くし蕩けた様な顔になるが、瞼に浮かぶ泪は俺には冷たく感じた。
軽いキスの後ベータを呼び寄せ日中何処にいたのか聞くと見せたくもない殺生を見せていたと言う。俺の勇姿を見せたかったと馬鹿な事を言う間抜けに苛立ちながら、醜い争いを目の当たりにさせたことを詫びた。
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