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ベータの中からオメガが出ることは稀だ。そのうえオメガもアルファも希少な為、国が人数と居場所を把握し番を見つけやすくしている。 俺も近々そのリストに名を記す事になる。オメガだと気が付かれない様に生活する者も居る為、ベータが目にする事はできなくてもきっとアルファと面晤はあるだろう。俺は時成と一緒に居たい。この愛を貫くために決して気が付かれることなく、相手の顔を潰さぬように嫌われなくては。
ーーー
結果が出てから俺の親は喧嘩が増え家を空けることが増えた。高い抑制剤を買うために必死に働いているんだと怒鳴られれば俺は何も言えなかった。
「時成、抱いてくれませんか?」
誰もいない家で寂しさを埋めるように硬い杭が突き刺さる。以前より確実に快感の場所が増え時成を喜ばせた。
「千晴、最近不思議ととても濡れるし、とても柔らかい」
ベータの為に濡れることの無い身体が憎らしい。
「何故でしょう、腸液でしょうか……慣れて貴方を受け入れたがっているのでしょうね。俺はこの変化がとても嬉しいですよ」
凛々しい目元が柔らかく細められ形の美しい薄い唇が近付く。
「千晴とても愛しているよ」
「俺も貴方への想いが消えることはありません」
中に注がれる愛しい熱を溜め込んでもお腹が痛くなることはなくなった。だから沢山注いでもらう。変わってしまったこの身体を少しでも利用することでぶつけ先のないこの怒りを押さえ付け貴方の前では不安を隠した。
ーーー
数日後から体調の悪さを理由に学問所を休みアルファがいる町へ出掛けなくてはならなかった。その時は常に役場の方が同行し安全に気を配りながらの移動となったが言葉の端々にオメガを嫌う節があり居心地が悪かった。俺だってベータならばそう思っていたと泣きたくなった。
「千晴君、貴方は私とは運命の番ではないようだね。とても可愛らしいから好みではあるけど私は無理矢理は嫌いです。もしも貴方が望まぬ番契約ならばまだお互い若いので次を探す方が良いかと思いますがどうでしょうか?」
此で五度目の顔合わせになる。基本的に恵まれた生活をするアルファは心に余裕があるのかスマートな方が多くお互い不快な思いを残すことはなかった。アルファにとってオメガへの見解はベータとは違うらしい。
「もし数年後お互い番契約者がなければ強引な手を使いたくなるかもしれません。覚えておいて下さいね」
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