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「壮絶な人生だな」  まあ、俺が今まで会ってきた奴等程でもないけど。 「何だ、麗しい乙女が告白したのに、つれない言葉じゃないか」 「慰めて欲しかったか? それとも『がんばったな』って褒めて欲しかったか? エリザさんがそうして欲しいなら、言っても構わないけど」 「……いや、やめておこう」  だろうな、俺もエリザさんみたいな辛い道のりを歩いてきた人に向かって、簡単な言葉を簡単に言いたくはない。  俺は彼女の事を何も知らないから、上っ面を並べただけの言葉で慰めるような事だけはしたくなかった。 「私が身の上の話しをしたのは初めてだ。よしヘイタ、私と結婚しよう。お前ならば、私の夫にふさわしい」 「えっ、やだ」  何この人怖いんだけど。サラッとプロポーズしてきたぞ、普通求婚って男からするものじゃないのか?男よりも男らしいぞ。 「即答とは気に入らないな。私に何の不満がある? 私と結婚すれば、このカラダもお前の好きなように出来るのだぞ? さっきからお前が、ジロジロと見ているこのカラダをな」  豊満なお胸をたゆませながら、エリザさんが挑発的な表情で言ってくる。  うっ、それはちょっと惜しいような……。っていうかバレてたのかよ。 「あれでバレていないとでも思ったのか? ふっ、力は凄いが、そっちの方はまだまだ青いな。いいかヘイタ、女は男のイヤらしい視線に敏感なのだ、覚えておくといい」  ……はい、肝に銘じておきます。
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