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「普通の魔物は喋る事は出来ません。ですけど、進化を経た上位の魔物には知識が芽生えるんです」  という事は、この鬼は魔物の中じゃ強い方なのか。 「はい、あっでも平太さんなら余裕のよっちゃんですよね?ちょちょいのチョイで倒せちゃいますよね?」 「悪いセレナ、今まで黙っていたんだが、異世界に転移した弊害なのか能力が一切使えなくなってる」 「え"?」  期待がこもっていたセレナのサファイアブルーの瞳が、刹那の内に死んだ魚のような目になってゆき、時が止まったように体が硬直している。  余程驚嘆したんだろうな。顔がやべー事になってんぞ。まぁ、能力が使えないってのは嘘なんだけどね。 「人間ノ女、ウマソウダ、マルカジリ、ケッテイ」 「いやぁぁあああああ!!私女神なんできっと美味しくないですぅ、ブラックオーガ様ぁぁ食べるならこっちの人間の方を食べて下さいそして私を見逃して下さいぃ!!」 「……」  いっそ惚れ惚れしてしまう手の平返しをするセレナは背後に隠れ、俺を生贄に捧げて自分だけ助かろうとしている。  お前本当に女神かよ、やる事がゲスすぎんぞ。
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