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「え、冒険者になるのに金が必要なのか?」 「はい、登録料が金貨一枚になります」 「……詰んだ」 「ジ・エンドですぅ」  何人かの町民に道を尋ね、目的地のギルドにようやく辿り着いた俺とセレナ。  屈強そうな男達やビキニアーマーを着ているアマゾネスみたいな女冒険者の中を掻い潜り、受付けに並ぶ。  順番がきて、うさ耳が生えた綺麗なお姉さんに冒険者になりたいと告げたところ、登録するのに金が必要だと言われてしまった。  登録料が必要なのはちゃんと理由があるんだそうだ。まず、冒険者に登録すると冒険者証とやらを貰えて、それが通行手形の役割にもなるらしい。冒険者になれば、自由に入出国が出来るという訳だな。  それと、俺達みたいな無一文が登録して魔物にホイホイ殺されてしまったので、それを防ぐ為の対策なんだとか。今では冒険者になる条件が、実力があり、金銭的にも余裕がある者だそうだ。  どこに行っても金、金、金。  生き辛い世の中なのは地球も異世界も変わりないんだな。全く、嫌になっちまうぜ。 「……はぁ」 「……」  ここにきて、遂に俺の心もポッキリ折れてしまった。セレナも生気が失われてしまったような死んだ顔をしている。  ああ、お家に帰りたいよぉ、熱々のカップラーメンが食べたいよぉ。
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