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「な、なんだ?じゃあそこの嬢ちゃんは俺様にくれんのか?」
「この犬ッころ、女神の私に発情してますぅ!やっちゃって下さい平太さん!」
「「「あ……!!」」」
セレナの発言に弟子三人がやっべ!みたいな顔をしている。
ああ、なんかこの後の展開が大体予想出来るな。
「俺様に犬と言いやがったなああ!!!」
「ぎいやああああ!怒っちゃいましたあああ!!」
「先生に『犬』は禁止ワードなんです!」
「言ったら最後、気が済むまで暴れるんですよ!」
ああもう、このポンコツ女神は面倒事しか起こさなねえのな。
「うがあああああ!!」
「平太さーん助けて下さいぃ!!」
怒りに身を任せ、ジャッカルが襲いかかってくる。多分酒が回ってる所為なのもあるな。
仕方ない……彼には悪いが、冷静になるまで少し寝ていて貰おう。
「はいドーン」
「--#$#%&@!!?」
「先生ええええええ!!?」
俺の弱パンチを受けたジャッカルが吹っ飛び、ギルドの壁に上半身がすっぽり埋まる。弟子達が悲鳴を上げて彼の救出に向かって行った。
あーあ、やっちまったな。穏便に済ませたかったが、ジャッカルの殺気が結構マジだったのでつい手が出ちまった。
「流石平太さん、冷たい態度を取っておきながら、いざという時は私を守ってくれるんですよね!このこのーツンデレさんなんだからあああああ痛いですアイアンクローはやめてえええ!!」
ちょっと黙ろうか女神様、お願いだから。
「あのぉ」
「あ、はい」
セレナに制裁を加えていると、うさ耳受付嬢が恐る恐る声をかけてくる。
振り返る俺に、彼女は素敵な笑顔で絶望の言葉を告げたのだった。
「壁の修繕費並びに営業妨害として罰金金貨十枚になります」
……おっふ。
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