プロローグ 女神に泣きつかれた

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「安心して下さい、ここはあなたの夢の中ですが、私は本当の女神ですから。私はあなたの意識の中に介入しているのです」 「ああ、うん」  とりあえず頷いておこう。もう設定出た時点で諦めたわ、はいはい認めます、俺は厨二です。 「まぁ、あなたがそう思うのならそれでいいでしょう」  投げやりだな。否定しなさいよ。 「おほん、時間が限られているので早速話をしましょう。私は異世界『アステリア』の女神、セレスティナです。セレナと呼んで下さい」 「はぁ」  やっべー、とうとう異世界出ちゃったよ。 「異世界『地球』の人類の中で一番強い能力者である平坂 平太さん、あなたに折り入ってお願いがあります」  真剣な表情で唐突に話しを切り出してきたセレスティナとかいう女神は、深々と頭を下げてこう告げてきた。 「どうか、アステリアを救って下さい」 「……」  困ったな、妄想の割には真に迫っている気がする。この夢早く終わってくれねーかな、と思いながら、とりあえず訳を聴いてみる事にした。  セレスティナ--セレナは悲しみに打ちひしがれた顔で、分かりやすく要点を纏めて語ってくれた。  一向に夢が覚める気配がないので、流石に妄想の類じゃねーなと確信し、俺も真面目に話しを聞く。  セレナの話しを要約すると、こんな感じだった。
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