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「アカヤ、そっち行ったよ!」 「分かった!アオト、フォロー頼む!」 「任せて!」  アオトが呪文を唱えたと同時に、アカヤが片手剣を握りしめ、眼前にいる魔物へと駆け出した。 「ブゴォッ!」  立ちはだかるのは、二足歩行の豚のオークという魔物だ。  下級の魔物でそれ程強くないらしいんだが、セレナ曰く姫騎士の永遠の天敵なんだと。よく分からん。 「喰らえ!」  アカヤが気合の入った一撃を叩きこむ。オークは一瞬怯んだが、すぐに逆襲を目論んでいて、剣を振りぬいて隙だらけのアカヤに拳を振るった。 「アクアショット!」  そうはさせまいと、呪文を唱え終えたアオトが魔法を発動。水の弾丸をオークに浴びせた。 「ブガァ!」 「今よアカヤ!」 「いけ!」 「うおおおおおおおお!!」  ミドリの声援、アオトの援護にアカヤが応える。雄たけびを上げ、燃え盛る片手剣をオークの胸元に突き入れた。  唸る炎が剣から広がってゆき、豚の体躯を焼き尽くしていく。 「ブゴ……オォ……」 文字通り豚の丸焼きになったオークは、力尽きたように背中から倒れた。
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