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「平太さん、先生さんを一人で戦わせてもよかったんですか?」 「いや、厳しいんじゃないか。地力は蛇の方が上だろう」  本音を告げると、セレナと弟子達が驚愕の声を上げる。 「じ、じゃあなおさら平太さんが一緒に戦えば……」 「本人は一人で戦いたいんだと。弟子に格好いいところを見せたかったんだと思うぞ」  果敢に蛇へと迫るジャッカル先生の戦いぶりを眺めて、弟子達が息を呑んで見守っている。 「まあ、それだけじゃないだろうけどな」 「どういう事ですか?」  アオトが疑問気に問いかけてきたので、俺は言葉を選びながら答えた。 「あの蛇はジャッカルより強い、それは本人も分かっているはずだ。けど、だからって逃げてちゃいつまで経っても強くはなれない。誰しも、己の限界や壁を超えるから強く大きくなれるんだ」 「限界を……」 「……超える」 「ジャッカルだって師匠である前に一人の戦士だ。多分、どんどん背中を追いかけてくるお前らに負けたくなかったんだろうな」  話し終えたら、弟子の三人は納得したように頷いたり、笑みを作ったりしていた。
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