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一つ、女神セレナが管理するアステリアには、人類その他種族と四人の魔王率いる魔物の二つが対立している。
一つ、今までは何とかパワーバランスが保たれていたが、遥か昔に封印された邪神とやらが近々復活するという。
一つ、邪神が復活されたら百パー人類が滅び、このままではアステリアが邪神に支配されてしまう。
一つ、アステリアで邪神を倒せる者がいないので、他の異世界の強い者に協力を求めようとした。
一つ、それで白羽の矢が立ったのが、地球の平坂 平太、つまり俺らしい。
はぁ……と一つため息を吐いて、セレナに問いかける。
「つまるところ、あんたは俺に世界を救って欲しいという事だな」
「はい」
俺の質問に短く返すセレナ。相当切羽詰まっている状況のようだ、今にも泣きそうである。しかし残念ながら返事はもう決まっていた。
「断る」
「え"」
俺の返事に驚愕するセレナ。まさか断られるとは思ってもいなかったのだろう。可哀想ではあるが、手を貸す気はこれっぽっちもない。
「な、何でですか!?」
「いや、俺なんも関係無いじゃん。他の世界がどうなろうと知ったこっちゃないし」
地球がピンチというのならまだしも、行ったことも無ければ知り合いも居ないのに、何故わざわざ俺が手間をかけなければならないのか。
そっちの世界の事なら、そっちの人間がなんとかするってのが筋ってもんだろ。仮に邪神が復活して世界が支配されたとしても、それはそれで仕方が無いんじゃないだろうか。
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