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気軽に聞いて重い過去を思い出させてしまって気を落とすセレナに、システィスは気にしなくてよいと笑顔を見せる。
そんな彼女につられて、セレナはしんみりとした空気を変えようと違う話題を振った。
「そ、そういえば、これから向かうシルヴィア共和国ってどんな国なんですか?」
「それについては私が教えてあげるわ」
問うと、今まで空気を読んで黙っていたカタリナが、シルヴィア共和国について丁寧に説明してくれる。
カタリナの話しを要約すると、こんな内容だった。
シルヴィア共和国とは、人間、獣人、エルフ、ドワーフの四種族のトップを代表に据え、他にも様々な種族が生きている多種族国家だ。
が、多種族国家と言っても、国民の七割は人間なのである。
それもその筈、シルヴィア共和国は元々人間を王とした『シルヴィア王国』だったのだ。
しかし数年前、人間による『人間主義』や『貴族制度』を覆す為、人間以外の多種族が力を合わせた。
その奮闘により王政と貴族制度が廃止され、民衆投票による代表制が生まれたのだった。
だが残念なことに民の数は圧倒的に人間が多く、四人の代表の中でも人間の力が強く、国の政治を行っているのもほぼ人間といっても過言ではない。
あらかたのお国事情を聞き終えたセレナは、「ああ、そういう事だったんですねぇ」と気になっていた問題に納得を得た。
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