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「学園長さんが元大貴族って、そういう意味だったんですね。私てっきり、何かいけない事をしてしまって爵位を剥奪されてしまったんだと思ってました」
「馬鹿ね、爵位を剥奪する程の事件をやらかした人間が栄誉ある魔法学園の学園長になれる訳ないじゃない」
「それもそうですね」
と、その後も楽しく三人でお喋りをしている時だった。
ドンッと突然強い衝撃が起きたと共に船が大きく揺れる。
何だどうしたと慌てていると、デッキの手摺からカタリナが海の上を指し示した。
「見て、魔物だわ! それも多い!」
「えええええええええっ!?」
「あっちにもいる!」
セレナとシスティスもカタリナの側に寄り確認する。船の周りに、海に生きる魔物がぐるっと取り囲んでいた。
「か、囲まれてる!?」
「うげ、うじゃうじゃいますぅ」
「どうしよう……」
魔物の出現に困惑する三人。どう対処すればいいのか悩んでいると、平太とアシェリーが異変に気付いてデッキにやって来る。
「おーい、何があったんだー」
「どうせ魔物でしょ」
「ちょ、何呑気な事言ってるんですか! 襲われてるんですよ!」
緊張感の欠片も感じられない二人にカタリナが大声でツッこむ。巫山戯たやり取りをしている間にも、魔物は船を攻撃しているのだ。
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