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◇
突然船が揺れたので気になってデッキに出ると、三人が海の下を見て慌てていた。
どうやら魔物に船を攻撃されているそうだ。
学園長さんは船の周りにいる魔物をチラッと確認すると、ため息をついて、
「どれも下級の魔物ね。放っておいても平気よ」
「ええ!?」
「いや、やだな。船が揺れて不愉快だし」
っていうか、何で急に大量の魔物が湧いてきてんだよ。今まで平穏だったのにさ。
「あーそれはね、魔物が出やすい海域に入ったからよ。一般の船なら避けて通るのよね、遠回りでも安全な航路だから」
「学園長は何で安全の航路にしなかったんですか?」
「え? こっちの方が近道だから」
「「…………」」
学園長さんの軽い一言に絶句する俺等。本当この人、破天荒っぷりがやべぇな。
王女様とエリザさんは、これに何年も付き合っていたんだな……同情しちまうよ。
「嫌なら倒しましょう。今いるのは下級の魔物ばかりだし……そうね、システィス、カタリナ、貴女達で魔物を殲滅しなさい。久しぶりに魔法を見てあげるわ」
「えぇ!?」
「私達だけで……ですか?」
襲いかかる学園長さんの無茶振りに困惑する二人。10体ぐらいいるけど、二人でやれんのか?
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