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「この二人は中級生……入学してから二年目なんだけど、とても優秀な子達よ。同学年は勿論、上級生にだって実力は劣らないわ」
「へー」
「あ! アンタ今疑ったわね!?」
「疑ってないよ、全然」
だから肩を掴んで揺らさないで欲しいんだけど。なぁ、ちょ、おい、揺らすなって言ってんだろーがクソガキャーーー!
こっちは初めての船酔いで吐きそうなんだよ、察してくれよ!
「学園長にそこまで期待されたらやらない訳にはいかないわね。やるわよシスティス」
「うん、頑張ろう」
おっと、どうやら二人はやる気みたいだ。どれ、俺も観戦してみるかな。
「魔物じゃなくて、美味しいお魚はいませんかねぇ……お腹空きました」
「お前なぁ……」
いつも通りの腹ペコ女神に呆れる。けど実は俺も腹減ってるんだよな。
それに折角の船旅なんだから、獲れたて新鮮な美味い魚を食ってみたい。マグロはいねぇのかマグロは。
「ボルトアックス!!」
「フレイムランス!!」
システィスとカタリナが腕を上げて魔法の詠唱をした刹那、大きさが三メートル以上ある雷の斧と炎の槍が頭上に出現する。
「「やぁぁああああああああああああああああああああッ!!」」
二人が雄叫びを上げながら手を振り下ろすと、魔法が海面から顔を出している魔物共に炸裂した。
バチバチッと閃光が弾け、轟々と火炎が燃え上がる。
少し経つと、真っ黒に焼け焦げた魔物が浮かんできた。
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