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「ヘイタさん……一体どういう事ですか」
「いいのいいの、真面目に考えなくて。な、いいだろ学園長さん」
「いいわよ。システィス、カタリナ、気にせずやっちゃっていいわ。何が起こっても私が責任取るし、多分貴女達じゃ彼に傷一つつけられないから」
流石学園長さん、話が分かる。それに、いい感じに発破をかけてくれた。これで二人は何も気にせず魔法を撃てる、ありがたいな。
「学園長がそう言うなら……」
「それに、ナメられたままってのも癪だしね」
やーっとやる気を出したか。
俺は両手を広げ、余裕の態度を見せる。
「いつでもどうぞ」
「……」
「本当に当たっても知らないんだからね」
俺とシスティス達との距離は七メートル程ある。
彼女達が魔法を発動した瞬間、俺は――
「ボル――」
「フレ――」
――二人に向かって駆け出した。
右手に白色の斧を、同じく左手に白色の槍を出現させ、二人が詠唱を終える前に切っ先を喉元に突きつける。
「「――――ッ!?」」
「どうした、早くしないとその首殺っちまうぞ」
「「…………」」
「っていうのは冗談。んなビビんなって」
握っている得物を下ろすと、二人は詰まった息を一気に吐き出す。
うん、いい緊張感だな。今頃冷や汗が出まくっている事だろう。
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