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「クルス先生、質問です」 「はいアルフレッド君、どうぞ」  イケメン君の名前はアルフレッドというのか。助けてくれたので、心の中でアルフレッドは君付けで呼ぼう。 「学園の歴史の中でも、編入生というのは数少ない特例な筈です。彼が特例である理由を、可能であれば教えて頂けませんか」 「ヘイタ君が特例なのは、彼が学園長の推薦だからです」 「「ッ!?」」  編入の理由を聞いて喫驚したのはアルフレッド君だけではなく、他の生徒も同じだった。  今まで静かだったのに、理由を知った途端室内が騒めきだし、言葉が飛び交う。 「学園長の推薦だって?」 「んな馬鹿な、あり得ねぇって」 「でも、本当なら彼は相当目上の方かしら」 「それとも、かなりの実力者だったり……」 「それはあり得る……いや、やはり違うかも。とてもそうは見えない」 「威厳がない」 「威厳というか冴えないわよ」 「ええ、マヌケ面ね」 「「うん」」  うん、じゃねぇよ。  おい。  言いたい放題言いやがって。君達、ヒソヒソと小声で話しているようだけど、全部ちゃんと聞こえてるからな?  今言った奴等、後でヌッ殺してやるから覚悟しておけよ。泣いたって許さなねーからな。 「はい静かに! 他に聞きたいことがあるなら、直接本人に聞いておくれ。それと、ヘイタ君は彼女達の隣に座ってね。システィス、カタリナ、彼の面倒を見てあげてください」 「「はい」」  あっお前等、そんな所にいたのか。何で助けてくれなかったんだよ、弟子の癖に。 「自殺しに行くようなもんよ。後、いつから私達は弟子になった」 「ごめんなさい、私もちょっと勇気が……」 「そもそも、アンタがあんな馬鹿な真似するから」  うんそうだね。俺もマジミスしたなぁと深く反省してます。  でも、これはこれで良い経験になった。もし万が一地球で転校する事になっても、失敗しないからな。 「では講義を始めます。教科書の――」  こうして、俺の魔法学園編が静かに幕を開けたのだった――。
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