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「お、鬼です!あなたには良心というものがないんですか!?」
「って言われても、本当に俺関係無いじゃん」
セレナが怒鳴ってくるが、何を言われても考えは変わらない。話しも終わったことだし、早く解放してくれないかな。
「うわぁぁぁああああああん!!お願いしますぅ、助けて下さいよおおおッ!!」
「うお!?」
頑なに拒否し続けていたら、突然セレナが俺の腰にしがみついてきて、赤ん坊のように泣きじゃくってくる。
「お前キャラ変わってんぞ」
今まで儚い女神のような振る舞いをしていたのに、急にポンコツ臭が漂ってきたぞ。
「キャラだって変わりますよぉ。本当に世界がやばいんですぅ、もう必死なんですよぉ!!」
懇願してくるセレナはポロポロと大粒の涙を流しながら見上げてくる。
くっ、顔だけは良いセレナの涙目且つ上目遣いは結構破壊力があるな。
童貞の俺には効果抜群だ、急所に当たっているかもしれない。
「つーかお前女神なんだろ、邪神ぐらい何とか出来ないのか」
「無理なんですよぉ、私に邪神をどうにかする力なんて無いんですぅ!」
「はあ!?じゃあ一体誰が邪神を封印したってんだよ」
「凄い昔、前任の女神が当時の勇者達と協力して封印したんです」
じゃあお前も今の勇者と協力すればいいじゃねえか。
「それが出来ないから困っているんですよぉ!そもそも私の力なんか前任の女神と比べたら月とスッポンですし、今の人類も昔より力が格段に下がっていて瞬殺されちゃいます」
詰みじゃん、もう諦めちまえよ。
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