第三章

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*** サクヤヒメとイワナガヒメは、野を越え山を越え、ついにあの日、御子と出会ったあの岬へとたどり着きました。眼下には荒れ狂う海原が広がり、それまでの道のりで見てき花や草木は、一本もありませんでした。 視線を移すと。岬の先にはすでに御子の使い達が出迎えに来ていました。 「こ、これは…本当にお美しい。国津神コノハナノサクヤヒメ様とお見受けいたしますが」 ほんのりと頬を染めたサクヤヒメが頷くと、御子の使い達は色めき立ちました。誰もがサクヤヒメの美しさに感嘆の声を上げていました。 「我ら天津神ニニギノミコト様の命により、あなた様をお迎えに参りました。此度の婚儀、誠におめでとうござりまする。我ら一同、心からお慶び申し上げます」 使い達が深々と頭を下げると、突然天から光が差し込み、サクヤヒメ達を暖かく包みました。 「これより、天照大御神様が治める高天原へお連れいたします」 ふわり、と足元から地が離れ、その身体は天高く舞い上がりました。鳥を追い越し、雲を抜け、大地がどんどん小さくなっていきました。
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