第三章

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「姉様、わたし達が暮らしていた土地がもうあんなに小さくなってしまいました。どうしてか沢山の思い出が蘇ってくるようです。嬉しいはずなのに、どこか少し寂しいのです。姉様も寂しいですか?」 大地が点になっていく様を見ながら、サクヤヒメの頬を涙が一筋つたいました。 「サクヤヒメ。あなたはあなたの事だけを考えていなさい。その寂しさも、やがて喜びに変わるでしょう。泣いてばかりいると、御子様に嫌われますよ」 イワナガヒメはその袖で、頬をつたう涙を優しく拭いてやりました。
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