ニュイブランシュ卿と景のハロウィン

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「満更でもないですね」 ニュイブランシュ卿は専属の着付け師とそう話す。 その目線の先にはニュイブランシュ卿が着ていた制服のお古を景が着ていた。 「なあ、この服思っていたより軽いんだな。貰ってもいいか?」 景は成熟の儀の時にニュイブランシュ卿が着ていた制服を気に入ったようでそれを着て色んなポーズを決めていた。 「わざわざ上げなくても能力を使ってこれくらい作れるでしょう」 「俺の能力は魔力依存だからこの服を作るとしたら戦闘に入る前に魔力が尽きちまうよ」 景は普段見せないような嬉しそうな表情で鏡を見ている。 そして鏡でニュイブランシュ卿と目が合うと 「こっち見んな!」 近くにあった靴をニュイブランシュ卿に投げつけた。 「少し見直すとすぐにこれですからね……」 「うるさい。それよりもあんたは仮想しないのか。俺が選んでやるよ」 景はニヤニヤとしながら女性物の服を―― 「女性物のを選んだ瞬間あなたの両腕はケルベロスの餌になります」 いつの間にかニュイブランシュ卿はシャルナスを抜いて景の脇の下で構えていた。 「じょ、冗談だって……ほらこれなんか似合うんじゃないか」 景は女性物に伸ばしかけていた腕をそのまま90度回転させた。 「これは……」 ニュイブランシュ卿は目を見開いて景が指さした服を凝視した。
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