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「でもさぁ~」
と、語尾を上げて話し始めた小牧。
まだこちらは乾杯の時の最初の1杯目が残っている。
ん?って鼻からなのか喉からなのか、何処から出たのかあやふやな返事をしながら小牧を見れば
「亜紗妃にとっては、あの会社って不幸の巣窟なのかもよ?」
可愛い顔をして手りゅう弾を投げつける小牧。
「不幸の巣窟ってなによ。わたしは、あの会社に入りたいがために、わざわざ両親を説得して日本にまで来たって言うのに・・・・」
いや、両手を振って否定はしているが、実際は自分でもそう思っている。
「そうだよね。あの会社に入った所為で畑違いの仕事をさせられるわ、彼氏と別れる羽目になるし、挙句に自分のデザインを盗まれるなんて、不幸のどん底じゃん!」
言っている言葉は負の気持ちを煽りまくっているって言うのに、とうの言葉を発している本人がゲラゲラ笑いながらだから、こちらとしても笑うしかないって!
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