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「宇佐美さん、先ほど頼まれた資料を集めておきました」
俺専用に用意してくれたアトリエに入って来て、手に持つ本や紙資料、USBを手渡してくれたのは、俺の部下に当たる須田美智子。
「ありがとう。あとで確認しておくから置いといてくれるかな?」
パソコンを置いたデスクの隣には、何も置いていないデスクを並べている。
その何も置いていない方のデスクの上でデザインを描いていると、いつまで経っても須田が部屋を出て行く音が聞こえてこない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに?」
面倒臭そうに顔を上げると
「今夜、お食事に行きましょうよ」
ニコって笑いながら、俺の背中から抱き着いてくる。
「悪いけど、これを仕上げちゃわないとだから」
実際、期限までにはほんの少しだけ間がある。
そんな事はアシスタントを務める須田にもすぐにわかってしまうが、遠回しに行きたくないという願望もわかってくれるはずだ。
「この頃ずっとご無沙汰じゃないですか。そろそろ、溜まってるんじゃない?」
厭らし気に俺の股間に指を当てる須田に
「場所を考えろ。今はまだ仕事中だぞ」
この女とも、アシスタントについてからだから3年の付き合いになるが、恋人関係ではない。
所謂身体だけの関係。ぶっちゃければセフレ。
お互い割り切った関係だ。
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