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「インスタント・イクイップメント」
黒騎兵の持っていた騎兵槍が消え、茶色の剣が手に握られている。
淡く赤く光を発する直剣にも見覚えがあったようだ。
「それはファーヴニル!」
伝説の装備である魔剣、それも山を切り裂き、空間を割ると言われた魔装具だ。ドラゴンスレイヤーでもある。
下馬すると剣を地に突き立てて「騎乗戦闘ではやり辛かろう」デュラハンを挑発した。
コシュタ・バワーが棹立つとデュラハンが飛び降りた。
「俺も舐められたものだな。だが本気でいかせてもらうぞ! 魔陣起動、バッドムーン!」
頭上に真っ黒の月が浮かび上がる。魔獣らが力を倍増させた。
左手には兜首を抱えているので右手だけでグレートソードを構える。
「他の強化魔法はせんでも良いのか、その位は待つぞ」
両手を剣の柄に置いて余裕の一言。Ⅳ番騎兵のたすきが揺らめく。
ヘンリエッタも低く唸るが手を出そうとはしない、これはデュラハンの戦いだ。
「笑止、貴様などすぐに沈めて見せる、覚悟は良いな」
注目の二人を中心に大きな輪が出来上がっている。
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